これからねこを飼う人へ〜「譲渡会でねこと出会う」という方法

ねこブームが続いています。ねこを飼いたいという人も増えていますが、これからねこを飼う人に、ねこを飼う前に知っておいてほしいことがあります。それが譲渡会という方法です。ペットショップでもねこは見つかりますが、譲渡会であれば、殺されてしまう、小さな命を助けることができます。今回は、捨て猫の譲渡会を定期的に実施している、徳島県動物愛護管理センター内、動物愛護推進事務所の古川(こかわ)先生に、センターの活動について、譲渡会について、詳しいお話をお伺いしました。

ーーー徳島県動物愛護管理センターではどのような活動をされているのでしょうか。

古川さん(以下敬称略): センターには飼い主不明の犬や猫が収容されています。その中でも、病気を持っていない子、少しでも人馴れできそうな子に対し、ワクチンを打つ、避妊・去勢手術をするなど健康管理をして、新しい飼い主をできるだけ多く見つけてあげること。それが、私たち獣医師会動物愛護推進事務所が県から委託されている事業です。命だから助けなければならないのは当然なのですが、収容できる頭数が限られており、残念ながら現在では原則、収容されてから1週間で処分することになります。1つでも多くの命を助けるために、「適正譲渡」と言っていますが、健康管理をし、希望する方にお渡しする努力をしています。

ーーー新しい飼い主はどのようにして見つけているのでしょうか。

古川: 毎月2回、定期的に譲渡会を開催しています。そこで希望する方にわんちゃん、ねこちゃんをお渡ししています。

譲渡会でねこを引き取る方法

ーーー希望すればどなたでも譲渡していただけるのでしょうか。

古川: 動物愛護管理センターのホームページにも掲載していますが、譲渡には条件があります。たとえば、18歳以下、もしくは65歳以上の場合、自分が飼えなくなったときに代わりに飼うことができる人がいなければなりません。他にもいろいろ条件がありますが、これらをすべて満たした方には事前に申請書を書いていただき、問題がなければ、講習会に参加していただきます。講習会で犬やねこの正しい飼い方を知っていただいた上で、譲渡させていただきます。(1)飼い主としての基本的要件を満たしていること。(2)申請書を譲渡会の2週間前までに提出すること。(3)講習会を受講していること。この3つが適正譲渡の条件になります。

ーーー単に「飼いたい」というだけではダメなんですね。お聞きしていると、手続きや条件が少なくないと思うのですが、もっとハードルを下げ、引き取りやすくすることはできないのでしょうか。

古川: 収容されたねこちゃん、わんちゃんを毎日世話している私のような人間からすれば、1人でも多くの飼い主を見つけたいというのが切なる願いです。けれども、何の条件もつけずに譲渡するのは現実的には本当に難しい。たとえば、動物を飼ってはいけないアパートに住んでいるのに、ペットを飼おうとする方も残念ながらいらっしゃります。あるいは現在はペットを飼える環境であったとしても、次に引っ越したときには同様の環境とは限りません。ねこも避妊去勢をし完全室内飼いをしなければ、どんどん増えてしまうだけでなく近所の方にもフンなどで迷惑がかかります。ペットを飼うということはその命に、行く末に、最後まで責任を持つということ。そのことをしっかり理解した方でないと、譲渡した結果、逆に野良猫や野良犬が増える、処分数が増えることにもなりかねません。

ーーー譲渡が終わった後は、動物愛護管理センターさんと接触はないのでしょうか。

古川: 基本はありません。半年後に元気にしているか、一応調査をさせていただいていますが、それくらいです。犬の場合は年に2回ほど「同窓会」といって、ここからもらわれていった子たちの集いもしています。

譲渡会で必ずねこに会える?

ーーー譲渡会に行けば、常にねこはいますか?

古川: 必ず希望通りにねこがいるとは限りません。ねこの繁殖生態から考えれば、年中妊娠が可能なのですが、なぜか春先の出産数が多いですね。なので、4月、5月あたりが子猫が収容されるピークになります。逆に冬場、12月などは、希望される方がいらっしゃっても、一頭も子猫がいない、成猫しかいないときもあります。一度講習を受けていただければ、そのあと1年間はセンターホームページから、譲渡対象のねこを選ぶことができます。

ーーーどれくらいの頭数、譲渡が成立していますか?

古川: 譲渡数についても、ホームページで公開しています。たとえば2017年の10月で言えば、計26頭。うち、ねこちゃんは6頭という実績です。

ーーーそもそも動物愛護管理センターさんに来られるねこはどのようなねこなのでしょうか。捨て猫、飼育放棄されたねこが多いのでしょうか。

古川: そうですね。犬の場合は「狂犬病予防法」や徳島県の条例により、首輪をしていても、それが放し飼いであっても、放浪していたら捕まえることができますし、専門のスタッフもいます。しかし、ねこの場合はその法律がありませんから、捕まえにいけない。基本的には、捨て猫を発見した方が警察に通報して、警察から引き取るパターンが多いですね。

ーーー動物の殺処分数は減っているのでしょうか。

古川: 徳島県動物愛護管理センターができたのが平成15年。そのときは処分数が1万頭を越えていましたし、徳島県は過去に殺処分数全国ワーストだったときもあります。それが平成27年には約1500頭。平成28年はさらに減って約900頭と、10年以上かけて1割以下まで減ってはいます。ただそうは言っても、収容された頭数に比べて、譲渡頭数は圧倒的に少ない。殺される命のほうが多いので、今後も様々な取り組みが必要です。

いかがでしたか。ねこを飼うには、ペットショップで購入する、知人から譲ってもらう、偶然見つけた捨て猫や野良猫を拾うという他に、譲渡会で引き取るという方法もあります。少々手続きが面倒ではありますが、ねこを飼えばそれ以上に面倒なことはたくさんあります。1つでも多くの命が助かるように。ねこを飼いたい方へ。ねこを飼う前に。譲渡会という選択肢もぜひ一度ご検討ください。

徳島県動物愛護管理センター

住所 徳島県名西郡神山町阿野字長谷333
TEL 088-636-6122
ウェブサイト 徳島県動物愛護管理センター


ABOUTこの記事をかいた人

ほにゃけん編集部

ねこ大好きにゃん集部
ねこのことならなんでも、ゆるーく、ふわーっと追いかけます。ねこ情報、ねこのいるところならどこへでも。ねこにとって、ねこ好きにとって、より心地よい徳島を目指して活動中にゃ〜。