ねこねこブックレビュー【12】『ネコちゃんのスパルタお掃除塾』卵山玉子/WAVE出版社

かわいいねこの「ネコちゃん」(これがキャラ名)が、どうしようもないほど片付け掃除ができない飼い主、主人公のトモエにおそうじをレクチャー! リビング、キッチン、トイレに寝室、ベランダ、玄関、お風呂、収納と毎回場所ごとに「これだけやっときゃ大丈夫」を教えてくれる本書。何が言いたいかって、とにかく「スパルタ」の塩加減が絶妙なんだよなー。

「スパルタ」してもらいたい人には実は、2つの、相互に矛盾する願望がある。

1つは「スパルタくらいキツく引っ張ってってくれないと、私のようなダメダメなグズは重い腰をあげられない……」「お願いだから、無理矢理引っ張ってってほしい!」という願望。ちょっと優しく「やろうよ」「やってみたら」じゃ動かないから、おそうじができないわけで。「お前こんな汚い部屋に住んでて恥ずかしくないのか!」「明日じゃない、今だ、今動け、掃除しろ!」と尻を叩いてもらいたい。

他方で「でも、本当にスパルタで、キッツイ指導だとついてけないし、そんな根性、最初から1ミリだってあるわきゃない」「あればとっくにおそうじしてるわ」「お願いもそっと優しくして」という願望がある。

当然、この2つは矛盾、矛盾と言って悪ければワガママなわけで。「やさしくして。でも、厳しくね」。あるいは「めっちゃ厳しくしてほしいけど、厳しすぎるのはイヤ」っていう無茶苦茶なのだけど、、そのワガママを本書はもう、それこそ胸がすくくらい実現してしまっている。「ネコちゃん」というキャラを使って。

主人公トモエは心の中でいじける。「どうせインテリア雑誌に載ってるお部屋みたいにはならないのよ」。ネコちゃんはその心を見透かして、思い切り、力いっぱい平手でトモエをひっぱたく。「痛いかッ」「ネコちゃんのココロはもっといたいぞ」と。

ところが、そこはねこ。いくら平手だろうが、思いっきり、力いっぱいだろうが、痛くない。「痛いかッ」。問われて、トモエはこう答える。「いや肉球がプニプニだった」。

この塩梅っすよ! ゴールデンブレンドっす。本書で紹介されている、おかたづけ、清掃の知識は、ちょっと心得ある人からすれば「えっ、マジでそっからかい」と思わずツッコミたくなるような、レベルの低さ! ねこなんかに掃除教えてもらわなくちゃできないような、おそうじ超超超超苦手女子レベルと心得よ。

もうね、どれくらいのレベルかって言うと、「使わないリモコンは片付けようか」「コンセントやケーブルもできるだけ見えないほうがいいね」レベル。

ところが、おそうじって、できない人は本当にこのレベルからできないでしょう。そしてそういう人にこそ、ネコちゃんのスパルタの肉球が必要だったりする。

レベルが低いとは書いたけれど、監修者や著者のレベルが低いわけではまったくない。むしろ想定読者がどれくらいおそうじが苦手かを熟知した上での、相手の目線に立ったアドバイスはさすがプロならでは(卵山玉子先生のプロフィールには「お片づけ上手なマンガ家」とある)。

また、単純に「これをこう片付けろ」式の知識だけではなく、「最初にここから、こういう風にやっちゃうとラクだし、心の余裕が出てくるよ!」という順番、オーダー、ステップについて教えてくれるから、これならズボラな私にも、今度こそはできるかも!と自然に思える。

内容もわかりやすく、知識量も適切なので、1日と言わず、1時間そこらで読み切れちゃうと思うけど、でも、ここは焦らず、ネコちゃんと毎週ちょっとずつ、ゆっくり付き合っていくのがおすすめ。1ヶ月もすれば部屋も見違えるほどになってるはず。ひょっとしたら、インテリア雑誌に載ってしまうかも……。

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